ワケあり同士による華麗なる政略結婚


経験豊富の彼の〝初めて〟な事を一緒に体験するのは嬉しくて自然と声のトーンが上がる。







「はいっ!!ご案内します!並木通りの近くになりますのでその方面にお願いします。」



バックに忍ばせていたガイドブックを取り出し道案内を始めると、彼は優しく目を細めた後にハンドルを取るとゆっくりと車が動き始めた。

運転する彼の横顔があまりにもカッコよくて、外の景色なんて見らずにイルミネーションまでの道のりずっと彼の横顔を見ていた。





途中で気づいた彼だったが、呆れたような顔をしながらも穏やかそうな表情を浮かべていた。


車内は無言だったが初めて2人でタクシーに乗った時とは違って、フワフワと優しい穏やかな空間が流れる。

人を好きになると、とても欲張りになってしまうのだと初めて知った。








相手の全てが欲しくなる。


笑顔も優しさも温もりも、、独り占めしたくなる。








これがマコちゃんが言っていた独占欲。


彼の行動や言動に一喜一憂して、胸がくすぐったかったり、締め付けられたり、忙しないがそれが恋だって。


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