ワケあり同士による華麗なる政略結婚
そう言って私の上半身に視線を向けた彼に釣られるように自分も視線を下げるとバスローブのみの自分の姿。
そして少しはだけた胸元には無数の赤い痕。
「やっ、、!」
恥ずかしくなり慌ててバスローブを搔き合せて、顔を背けたが彼の手が伸びてきて引寄せられた。
『その反応、、今更だな。それよりもお前、火傷の痕が残ってる事、、なんで言わなかった?早めに病院に行けば治ったかもしれない所を。』
低い声で腕を掴まれ、バスローブを捲られた。
火傷の痕を見て、まるで自分の事のように表情を酷く歪めた彼の顔を見て咄嗟に彼の顔に手を伸ばす。
そんな顔しないで欲しい。
だってこれは。
「だってこれは、、誠也さんに自ら手を伸ばせたキッカケの火傷ですから。あの日、誠也さんの優しさに触れて、、貴方に近づけたんです、、。あの日が無ければ、今の私は居ません。だから、、そんな顔しないで下さい。」
そう言って微笑むと火傷の痕に優しくキスを落とされた。