ワケあり同士による華麗なる政略結婚
『、、そうか。』
「はい、、。」
穏やかなその声にホッとしていると、彼がベットから降りた。
『、、起きれるか?昨日のままじゃ嫌だろ。シャワー使うか、、?』
「は、はいっ!」
上半身を起こしてベットから降りようとするが、下半身に力が入らずベットから転げ落ちそうになると床寸の所で彼に抱き上げられた。
「す、すみません、、何故か力が入らなくて、、。」
『いや、昨日は無理をさせた。このまま連れて行ってやるからつかまってろ。』
「ありがとう、、ございます。」
バスローブのまま浴室の中にある椅子にゆっくりと降ろされた。
『洗ってやろうか?』
「ご、ご遠慮致しますっ、、!!!」
『冗談だ。洗い終わったら呼べよ。』
柔らかく笑って浴室から出て行った彼。
鏡に映る自分は真っ赤で、彼の甘い仕草や言葉に赤みが身体全身へと広がっていく。
、、本当に私は彼に抱かれたのだろうか。
記憶も曖昧な上に、経験のない私にはそれが事実かも分からない。
あの事件をきっかけに誰かと結ばれる事なんて、一生ないと思っていただけにイマイチ実感が湧かない。