ワケあり同士による華麗なる政略結婚
「、、今日も遅いのかな、、。」
独り言を呟き、いつものように浴室に向かってシャワーを浴びた。
最初は勝手が分からなかったこの部屋での生活も、1週間も立つと次第に慣れて来て、今ではとても快適に暮らしている。
そして過呼吸を起こしたこともない。
なぜならばこの部屋に越してきて、一度も彼の姿を見ていないのだ。
別居婚を解消することが決まった次の日、いつもよりも早めに仕事を上がらせて貰って必要最低限の荷造りをして自分のアパートで彼を待っていた。
チャイムが鳴り緊張しながらドアを開けると現れたのは女性で、その人は彼の秘書で彼の指示でやって来たという。
彼女に連れられるまま、彼の住んでいるマンションにやって来て住人ではない筈の女性から部屋の説明を一通り受けた。
そして最後に鍵を渡して去っていった。