ワケあり同士による華麗なる政略結婚
彼にとっては、夫婦としての義務を果たしているに過ぎないのかもしれないがあんな風に優しく抱かれれば、勘違いしてしまいそうになる。
彼に抱かれる女性のうちの1人でしかないのに。
その情熱的な熱い眼差しに翻弄され、怖いくらいに彼に溺れていく。
猶予である同居生活の半年という期間も今月と迫り、不安に押し潰されそうになってしまう。
もし彼から離婚を申し込まれたら、それを快く受け入れる事ができるだろうか。
今更、彼の居ない生活なんて想像も付かなくて、いつのまにか彼という存在が私の生活の一部になっていた。
「誠也さん、実は昨日マコちゃんからホテルのビュッフェディナーに誘われまして、、夜、出掛けてきてもいいですか?」
玄関先で朝から彼を見送る際に、遠慮気味にそう声を掛けると靴を履き終え振り返った彼は穏やかな表情で頷いてくれた。
『行ってくるといい。お前にとっての唯一の親友だろ?そういう繋がりは大事にした方がいい。ただ、昼間と違って夜出歩く時は用心しろよ。2人だからって安心は出来ないからな。声を掛けられても構わずに無視しろよ?』