ワケあり同士による華麗なる政略結婚
昨日の今日で不安だったが、私が使っていいと言われた部屋にはベットや家具が一通り揃っていて直ぐにでも生活出来るようになっていた。
お礼を言うべく、彼の帰りを待ってみたが日付を跨いでも帰ってくる気配はなくいつのまにか寝ってしまっていた。
そして朝起きた時には彼が帰ってきたであろう形跡はあるものの、既に姿はなくなっていたのだ。
最初は私の所為かもと不安に思ったがら、それが1週間も続けばこれが彼の生活スタイルなのだと理解してきた。
寝に帰ってくるだけの仕事の多忙さに驚きつつも、今度は彼の身体が心配になってきた。
食事はちゃんと取っているのだろうか?
睡眠は?休息は?
妻として暮らしているのに、何も役に立つ事が出来なくて落ち込んでしまう。
だからせめて彼の邪魔にだけはならないようにと、気配を消してひっそりとした生活を心掛けている。