ワケあり同士による華麗なる政略結婚

「それは時にツラくて親友という立場を投げ出しそうになる事もあったけど、それ以上に優越感があった。男を前にすると免疫がなさ過ぎてビクビクとするのに私にだけは満面の笑みを見せてくれる。あの事件をキッカケに〝男性恐怖症〟を発症してしまった時でも私には変わらずだった。それが特別な気がして、、このままずっと親友として美麗を守っていくつもりだったわ。貴方が現れるまでは、、、。」







そう言うと真っ直ぐと真剣な表情で見つめてくる。


「事後報告だったけれど貴方との結婚は政略結婚で籍を入れただけの〝別居婚〟だと聞いていたから少し安心はしてた。結婚3年目にして同居を始めたと聞かされた時は驚いたわ。そんな貴方との新居に招き入れられて状況を聞いた時は何とも言えない気持ちになった。あの美麗が貴方の為に男性恐怖症を克服しようと頑張っている姿を見て、、勝てないと思った。だから親友としてあの子の恋を応援しようと決めたのに、、、。」









言葉を詰まらせた男は、鬼の形相でこちらを睨み付けながら低く唸った。




「美麗以外に身体の関係にある女がいるというのは本当？もし、、それが本当なら私は貴方を絶対に許さない。貴方から本気で美麗を奪う覚悟だってある。今日はそれを確認しに来たの。』


その覚悟の宿った目を負けじと見つめ返す。