ワケあり同士による華麗なる政略結婚

まるで見ていたかのように言い当てられ、眉間にシワを寄せる。





「ふふっ、、なんで分かったんだって顔してるわね。それはね、貴方からあの子の移り香がするからよ。私みたいにただ抱きしめたくらいじゃ、そんなに強い香りは移らないでしょう?」

『っ、、、。』











自分では全く気付かなかったが、もしかしたら最初からこの男はその事に気づいていたのかもしれない。

それでいて、ワザと俺を試すような事ばかりしていたのだ。





あいつに相応しい男かどうかを見極める為に。














『それで俺はあんたのお眼鏡に叶ったのか?』

「とりあえず一次審査は合格かしら。でもあとは貴方の頑張り次第ね?あの子、、あんなに可愛くていい子なのに自分に自信がなさ過ぎる所あるでしょう?」

『あぁ、そういう所あるな。それでいて無自覚で、、、だから目が離せない。』











丁寧にコーヒーを入れて遠慮気味に向かいに座りながらこちらに視線をチラリと向ける瞳

耳をくすぐる心地よい声

嬉しそうに玄関まで出迎えにくる姿

穏やかな表情で料理作る横顔

困ったように眉を下げる仕草

ベットで見せる妖艶さ






その全てがどうしようもない気持ちにさせる。


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