ワケあり同士による華麗なる政略結婚
そう声をかけると、ガタッとドアの向こうで音がして何かあったのかとドアノブに手をかけるがそれに気づいた彼に勢いよく締められてしまった。







「えっ！？誠也さん！？！？どうかされましたか？！？！」



不安になってドアを叩くと彼の声が先程よりも遠く聞こえた。







『アンタに特に深い意味なんてないんだろうな。、、怖い思いをしたくないならもう自分の部屋に戻れ。』




そんなにピシャリと言い切られてしまったら、ドア越しでもいいからもっと会話したかったとは到底いえなかった。










「はい、、今日は本当にありがとうございました。おやすみなさい。」





諦めてそう声を掛けても、彼からの返事もなく暗い気持ちで部屋に戻った。

せっかく彼に少しだけ近づけたと思ったのに、また遠くに感じて胸がきゅっと締め付けられた。




もう寝てしまおうとベットに潜り込み携帯のアラームをいつもの時間にセットしようとして、指を止めた。






この1週間、私は待っているばかりで受け身になっていた。






でもそれじゃダメだ。



本当に彼の事を知りたいのならば、自ら動かなければいけなかったんだ。

暫く考え込んでからアラームの時間を変更して目を閉じた。


もっと彼に近づけますようにと願いを込めて、、、。









< 39 / 311 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop