ワケあり同士による華麗なる政略結婚
この結婚にもし誤算があったとすれば、会うどころか会話すらまともに成立しないほどの女だったということだろうか。
女に苦労しない俺にとっては、性欲は別の所で満たし私生活として快適だったが、まさか仕事にこんなに支障が出るとは思わなかった。
前々から囁かれていた藤原商事に娘なんか居ないんじゃないかという噂が、自分と結婚した事でまた再燃してしまい自分までも疑いの眼差しを向けられることになった。
こんな噂、姿を見せれば証明できることなのに何故しないのかと昔はボンヤリ思っていたが関係者になってようやく理解した。
それができないからこうなっているのだと。
確かにあの状態で公の場に出せば、恥をかくばかりではなく間違いなく病院送りだろう。