ワケあり同士による華麗なる政略結婚
それもきっと彼のお陰。
冷たい印象のある旦那様が本当は優しい上に面倒見も良く、こんな私にも優しく接してくれる。
そんな素敵な彼に見合う自信の溢れる女性になりたくて、少しずつではあるが彼以外の異性にも慣れようと頑張っている。
例えば、帰宅する時に異性を避けて歩いていたが真っ直ぐに歩くようになった。
顔を上げることはできないが、前から異性の気配を感じてもそのまま歩き続けることができるようになったのだ。
私の中では大きな一歩だ。
それから今までは買い物は全てネットでしていたが近くのスーパーで買い物をするようになった。
夕方のスーパーは主婦層が多いが、男性がいないわけではない。
レジの店員さんも勿論、男性もいる。
だが仕事中の店員さんとは必要以上な会話をせずに済むので、俯きながらレジでお会計をする。
この日も食材を買うべくスーパーに寄ってから帰宅した。
ネットと違って手にとって見ながら買い物できるということが、こんなに楽しいなんて今まで知らなかった。
それに特売日というものがあって、入り口に貼ってあるチラシに特別特価な商品が書いているのだ。
それを眺めてから買い物すると、新鮮なものが驚くほど安い金額で買い物できてしまう。
今日も戦利品を手に帰宅した。
つい癖で靴を棚の中に治そうと手にとるが、またやってしまったと苦笑いしながら玄関の端に並べた。
誰かと私生活を共にするのが無理だと言って別居婚を提示した彼が、私との生活を許してくれた。