執事の君に愛されて……
触らないで!!

零以外に触られたくない。
零にしか汚されたくない。

「零…………っ」





「何やってんの?」



えっ…………?



本棚の上にいる藤守 明石さんがいた。

「よっとっ、あれ?
萌ちゃんだ。
何してたの?伊織先輩っ」

本棚の上にいた彼は、ふわりと舞い降りて私を見つめた。

脱がされかけた体を、隠したいのに隠せない。
伊織先輩は、未だに私の太ももに触れたままだ。

離して……言いたいのに、言えない。

「早く、離してやりなよ。
泣いてるよ、萌ちゃん」

少し、睨んだ明石さんがいた。
チャラけた感じが、消え怖さを纏った明石さん。

「君には、関係ないっ。
邪魔するなっ。今、いいとこ……」

さらに、伊織先輩は私の腕を掴んだ。
ビクン、と体が拒否を示す。

ーーーーガシッ

「離せって言ってんだよ‼」

それは、低く突き刺さる声。

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