大人の恋は複雑で…素直になるのは難しい

「だろう⁈でも、最近は女遊びはやめたらしいんだけどね、その子に気持ちを伝えてないのか、伝わってないのかどちらかなんだけど…このまま曖昧にして、その子に彼氏ができたらどうするんだろうね?」

「俺以外の男が彼氏なんて、認めない」

えっ…奏⁈

握っていた手をそのままで急に立ち上がり、私もつられて立ち上がると奏に腰を抱きしめられている。

「今の健さんのお友達って、奏の話なの?」

大爆笑の健さんは、目に涙を溜めて笑っている。

「それは本人に聞いたらいいよ」

「言わないし」

言わないしって、そうだと言ってるのと同じ事ですよね。

笑いを堪える健さんは、

「バカなお友達だけど、よろしく。あっ、ちなと相談して連絡するけど、今度2人で遊びに来てよ。お土産まだ渡せてないしさ…ちなの驚く顔が見たいからそれまでは内緒にしよう」

「はい、突然遊びに行って驚いた智奈美を見てみたいかも!健さんも人が悪いんですね」

「うーん、何かずれてる。奏、苦労してるんだな」

「そうだよ。バカだからな…普通気がつくと思うんだけど、ずっと誰かさんしか見ていなかったから、鈍いんだよな」

「それに関しては、ちなも気がついてないし、気がついてないふりしてたんだけど、お前は気がついてたんだな」
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