大人の恋は複雑で…素直になるのは難しい

頭上で、男の堪える呻き声…

「煽られて、手加減してやれないからな」

言いながら、私をベットに組み敷く男が上から憎らしげに笑った。

「望むところよ。慰めてくれるんでしょう!」

月明かりが差し込む中、望み通り何も考える暇がないくらい抱かれた。

四角いパッケージが足りなくて、途中クローゼットの中に取りに行く奏の後ろ姿に見惚れる場面もあった。

引き締まった綺麗な身体。

普段から鍛えているのだろう。

だから、こんなに体力があるんだと納得。

そして、すぐ戻ってきた男は箱をサイドボードに置き、再び私を抱いた。

気がついた時は外は明るくなっていて、背後から体を抱きしめる男の腕があった。

驚いて顔だけで後ろの男を見る。

後悔はしていない。

だが、やってしまった感が拭えない。

よりによって、この男だなんて…

誘った記憶はある…やはり酔って思考が麻痺していたに違いない。

大丈夫…もう会う機会もそうそうないはずだと言い聞かせて、男の腕を外した。

気配を感じ、目を開けた奏。

「…起きたのか…いま何時だ?」

起き上がり壁時計を見つけ答えた。

「お昼過ぎてる」

「マジか…久々に夜明けまで女を抱いたからな…流石にキツ…お前、体大丈夫か?」

「体中、筋肉痛」
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