大人の恋は複雑で…素直になるのは難しい
お互いの顔の距離がゆっくりと近くなるが、焦らされて、スマホにも負けて、待っていられない俺は性急にキスを仕掛けた。
どうしたら素直な面を見せてくれるのだろう?
どうしたら、俺を一番に考えて見てくれるのだろう?
どうしたら好きだと言わせられるのだろう?
頭の中でそんな事を考え唇を重ねていたせいか、触れるだけのキスで終われなく、情熱的に唇を合わせ、意識が吹っ飛ぶような熱の入ったキスに、欲情せずにはいられなく、もっと、もっとと夢中になって舌を擦り合わせ絡め、唇を食いつくキスを繰り返しているうちに、唇から離れた菜生の腰が急に落ちた。
グッタリと肩にもたれ身体中で息を吸いながら、蕩けた表情に、生唾を飲み込んだ。
「…まじ、キスだけで感じてイくなんてかわいすぎだろ」
愛しくて、顔中にキスせずにいられない。
「あー、俺もう、お前の事離してやれないわ」
「…抱きしめて…る、じゃん」
こんなところが、ズレてて俺の気持ちが通じないのだ。
もう、態度だけじゃ物足りない俺は行動する事にした。
「指輪、買いに行くぞ」
ただ、指輪を贈るだけじゃなく、もう、ペアリングで彼女に言い寄る男達を排除して、素直になれない菜生には…彼女だと自覚してもらうしかないと決めた。