大人の恋は複雑で…素直になるのは難しい
そうじゃない…
彼女に触れたら俺は、きっと元に戻れない気がずっとしてたからだ。
『あーもう。うるさい黙れ』
きゃんきゃん叫ぶ口を塞いだ。
触れた唇は黙り、どんな女とのキスよりも欲情した。
『お前はいい女だよ。抱かせろ』
もう、俺の中で抱く意外の選択はなかった。
菜生を抱いても抱いても、俺の欲望は尽きることがない。
普段、俺にツンケンしている女が、女の顔を見せ俺に組み敷かれている。
甘い吐息を出してたかと思えば、切なく鳴く。最高潮にきた時の泣き声とも違う声に余計に煽られ、あんな奴忘れてしまえと何度も突いた。
そのうち、訳がわからなくなってきた菜生は、恍惚とした表情で涙を流していた。
そして朝方彼女は、意識を手放し深い眠りについてしまう。
そんな彼女を愛しくて抱きしめて寝た。
昼過ぎにお互い一度起きたが、疲れた体は睡眠を欲したらしい。
気がつけば夕方近くで、腕の中で眠る菜生の胸にキスしても起きない。
結構、激しく抱いたからな…
彼女の体の至るところに無我夢中でつけたキスマークが残っていた。
こんな自分の印みたいなものを誰にも付けた事がない。
はだけていた掛け布団をかけ直し、自分の行いを冷静に考える為にシャワーを浴びに行った。