大人の恋は複雑で…素直になるのは難しい
若干、引き気味の男性陣を無視して、私達は、パフェに夢中になった。
「優希さん、こっちも食べてみます?」
「うん、交換しよ」
半分こして、お互い満足。
「んー、美味しかった。ごちそうさま」
伝票を奏に差し出す。
「満足したならいいんだけど」
「うん、大満足。奏に会えてよかった」
深い意味はなかった。
なぜだか、奏の目が泳いだ気がしたけど、それも奏のデコピンで気にならなくなった。
「ゲンキンな奴」
なんだかんだと楽しい時間を過ごして、お店を出る。
「ごちそうさまでした」
臣さんと折半したからか、優希さんは臣さんにお礼を言っている。
「奏、ありがとう。ごちそうさま」
「いいよ。お前じゃなくても払ってたし」
はい⁈そうですか!
素直に感謝しているのに、そんな言い方しなくていいじゃん。
ふん!
「優希さん、帰りましょう」
「ごめん、臣さんと方向が同じだって聞いたから送ってもらう事になったの」
あっ、あるあるですね。
「そうなんですね。じゃ、気をつけて帰ってください。臣さん、ありがとうございました。優希さん、また来週ですね」
「うん、また来週」
手を振り2人は駅方面に向かって歩いて行った。