大人の恋は複雑で…素直になるのは難しい

「黙れよ。抱いてる側から他の男の話なんて聞きたくないね…」

言葉は乱暴なのに、キスは優しい。

奏って、女の扱いうまいよね…

キス一つで夢中にさせるんだからと、奏とのキスに堕ちていった後は、一回で終わらなかった。

「…ねぇ、もう限界なんだけど」

「俺が足りない…何日も女不足だったんだ。もう少し付き合え」

指で数えてみるが、会ってない日は4日ぐらい?
どんなサイクルで女を抱いてるのよ。

「ほかをあたってよ…奏ならよりどりみどりでしょ!」

そう、こいつは来るもの拒まないクソ野朗だった。

「なんだ…ヤキモチか?」

「まさか…何回もする奏に付き合えないから言ってるの」

「諦めろ…何度もその気にさせるお前が悪い」

こいつに恋する女なら、殺し文句だろう。

だけど、残念な事に奏に恋してないから一瞬のキュン止まりだ。

「そのセリフは、他所で使ったら?」

「……お前、本当にマジムカツク。抱き潰す」

体の上にのしかかる奏を押したが、動かない。

奏の宣言通り、また朝までコースだった。

そして、また奏に抱き枕にされている。

彼氏なら、このシチュエーション最高に萌えるのに…残念ながら奏なんだよね。
< 44 / 211 >

この作品をシェア

pagetop