大人の恋は複雑で…素直になるのは難しい
「黙れよ。抱いてる側から他の男の話なんて聞きたくないね…」
言葉は乱暴なのに、キスは優しい。
奏って、女の扱いうまいよね…
キス一つで夢中にさせるんだからと、奏とのキスに堕ちていった後は、一回で終わらなかった。
「…ねぇ、もう限界なんだけど」
「俺が足りない…何日も女不足だったんだ。もう少し付き合え」
指で数えてみるが、会ってない日は4日ぐらい?
どんなサイクルで女を抱いてるのよ。
「ほかをあたってよ…奏ならよりどりみどりでしょ!」
そう、こいつは来るもの拒まないクソ野朗だった。
「なんだ…ヤキモチか?」
「まさか…何回もする奏に付き合えないから言ってるの」
「諦めろ…何度もその気にさせるお前が悪い」
こいつに恋する女なら、殺し文句だろう。
だけど、残念な事に奏に恋してないから一瞬のキュン止まりだ。
「そのセリフは、他所で使ったら?」
「……お前、本当にマジムカツク。抱き潰す」
体の上にのしかかる奏を押したが、動かない。
奏の宣言通り、また朝までコースだった。
そして、また奏に抱き枕にされている。
彼氏なら、このシチュエーション最高に萌えるのに…残念ながら奏なんだよね。