大人の恋は複雑で…素直になるのは難しい
酔った菜生は、異常にテンションが高くなり、無茶をする。

あの日のように、また男に『慰めてほしい』と言いかねない。

お互いの自己紹介後、それなりに会話が続いていたら、隣の菜生は、眉間にしわを寄せている。

こういう時の彼女は、俺をよく思っていない。

つい、彼女の頬をつねっていた。

「お前、今、俺の悪口思ってたろ?」

「思ってないよ」

「嘘つけ…眉間にしわ寄せて、いつも悪態つくときと同じ顔してたぞ」

「うそ」

咄嗟に、眉間のあたりを指で伸ばすあたり図星だったらしい。

前にも俺関係で何か話したらしくその内容が気になっていたら、女同士で内緒のシーをお互いしだす。

そんな姿が可愛く見えたのは、寝た女だからだろうか?

他の誰かが同じ事をしてても可愛く見えたかは定かではない気がする。

ビールが来て菜生は、それを一気に飲んだ。

「おい、弱いくせに一気に飲むな」

こいつは、自分で飲む加減というものを知らない。

忠告のつもりで、ペシッと指先でこめかみを小突いてやった。

「もう、痛いな。女の子扱いしてよね」

痛くないように手加減してやったのに、女の子扱いしろだ…口答えなんて相変わらず生意気な。

菜生の耳元に口を寄せ

『女扱いして抱いたろ』
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