大人の恋は複雑で…素直になるのは難しい

ボッとまた赤くなりながら首を左右に振ってから

「されたけど、それはまだ後。彼にね、明日、デートしてくれませんか?って言われたのよ。素敵だと思ってたから、二つ返事で約束したの」

頷きながら聞いていたら、照れて顔を覆う優希さん。

「それでね…『じゃあ、忘れないように約束』って言われたら指切りか握手だと思わない?彼ね、おでこにチュッってして、照れて…『忘れないでね』って帰って行ったよ」

はぁぁ…おでこにチュッでしたか!

「それでデートは楽しかったですか?」

「そりゃもちろん楽しかったわ。なよなよした男しか近寄ってこなかったから、新鮮。リードしながらも、こちらの意見も聞いてくれて、強引じゃないんだけど、でも嫌って言わせない雰囲気に持っていくのよ。もちろん、全然嫌じゃなくて、そのちょっと…オレ様ぽいところもあって、素の臣さんを見せられて、益々好きになっちゃった」

いいんじゃないですかね⁈

「で、何がどうしようなんです?」

「うん…そのさっきも言ったけど強引じゃないんだけど、そういう雰囲気に持ち込まれてエッチしたんだ。で、付き合うんだって思ったんだけどね…」

違ったんだ…

「『俺、すぐ堕ちる女に興味なかったんだけど』って言われたのよ」
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