大人の恋は複雑で…素直になるのは難しい

「うわぁ、サイテー」

奏が言っていた臣さんの本性が、これだったんだ。

「だからついね…寝たからって好きになったと思わないで…私の周りにいないタイプだったから興味本心で寝たけど、大したことなかったわって啖呵きっちゃった」

予想もしていなかった事に、ア然となる。

「優希さん、その…臣さん下手くそだったって事ですか？」

「そんなはずないじゃない。すごく良かったわよ…だけど、あんな事言われて私のプライドが許さなかったの。それは、あっちも同じだったらしいけど…」

でしょうね…

「あいつ、私を絶対堕とすって宣言してきたわ」

「良かったですね…で合ってますよね？」

「合ってるけどさ…私、しばらく恋愛から遠退いていたのよ。あんなドS男に毎回迫られたら、すぐ攻略されて飽きられちゃう。ねぇ、どうしよう？どうしたら、私を好きになるの？」

「それ、私に聞きます？叶わない片思いしてたの言いましたよね！私に、わかる訳ないじゃないですか」

「冷たい事言わないで、一緒に考えてよ」

そんな事言われても…

仕方なく、なんだかんだと臣さん打倒？計画を立てた。

その計画は、恋愛から遠退いていた優希さんには高度なもので…私ができる事は、上手くいく事を願うしかなかった。