大人の恋は複雑で…素直になるのは難しい
「見て、これ」
臣さんからのメール画面を見せられる。
『朝起きて、抱いた女がいないなんて初めてだ。今度は、他の男より、俺の方がいいって言うまで
抱き潰すから覚悟してろよ」
「…優希さん、どんまいです。とんでもない男を好きになっちゃいましたね」
駆け引きなんてする前に、攻略されそうだ。
「堕ちたら終わりなのよね。あっちの気持ちが少しでも私に向いてくれたらいいのに…時間もないし、試してみるしかないわね」
「試してみるって何です?」
「手に入らないものほど、欲しくなるのが世の常ならカケてみるしかないわ。…菜生にも協力してもらうわよ」
そのカケがなんだかわからないけど、不安でしかない。
優希さんが悲しい思いをしなければいいのにと願う。
それから数日経ったある日の夜、優希さんからの電話
「菜生、合コンするわよ」
はい?
「私は別にいいですけど、優希さんはいいんですか?」
「いいに決まってるじゃない…相手は臣さんとその仲間だし」
「えっと、臣さん攻略を諦めたんですか?」
「諦めてないわよ…堕ちそうで堕ちない相手を揺さぶるには合コンが一番手っ取り早いと思うの。もう、これはカケね!どう出てくるか次第で私の決意が決まるわけ」
ハァ…