大人の恋は複雑で…素直になるのは難しい
それに、俺だけじゃなく臣もカチンときたらしい。
優希ちゃんを徹底的に無視した。
悲しそうな表情であいつを見る優希ちゃんの目の前で、臣は笹倉という女と仲のいい雰囲気で見せつけていた。
性格悪いよな…優希ちゃんの気持ちなんてわかっているだろうに!
俺はというと、菜生に視界にも入れてもらえてない。
優希ちゃんばかり気にして、目の前にいる石黒をも適当にあしらって見向きもしないでいる事に、ホッとしつつ、複雑な心境でいた。
気がないのなら、別に次へ行くだけなのに他の男と仲良くしている姿を想像しただけで、落ち着いていられない。
俺は、なんでこんなに菜生に必死になってるんだ?
モヤモヤとする感情
目の前にいる女と楽しめばいいのに、心ここにあらずで、気がつけば菜生ばかり見ている。
俺がこんなに見ているんだ…視線に気がつかないはずがないのに、こっちを見ようともしない彼女にイライラしてくる。
一度ぐらい視線に気がつけよと、何度も心の中で念じている始末だ。
菜生なんて、可愛いが俺のタイプじゃない。それなのに、気になって仕方ないのは、抱いてしまったからか?
今までの女達と何が違うというんだ…