恋の始まりの物語
途中のコンビニで、首尾よくお酒とおつまみを手に入れた。
湯川の部屋へ向かいつつ、ホクホク顔の私を呆れたように見て、湯川が言う。
「お前、リオンであんなに食ったのに、まだ食うのかよ!」
「なにさ、いつものことでしょ。
食べながらじゃないと飲めないんだって」
「塩でも舐めとけ!」
「野菜食いたいの!」
家にあったキュウリを5本持ってきた。軽くめんつゆに浸けて、漬け物擬きを作る。
後は、お菓子。
ふと、気がついて、隣の湯川を見上げる。
軽く180㎝以上あるだろう。
女としては背の高い方の私が、見上げないといけない。
「……あんた、割と元気ね」
もっと落ち込むかと思った。
大好きなまりあが、嫁に行くんだよ?
「ああ、なんかお前がまりあに『嫁に来い』って言ってたの聞いて、どうでもよくなってきた」
「なんだそれ」
ぷっ、と吹き出した私の髪を、いきなり大きな手がぐちゃぐちゃにした。
「なっ、なにすんだ!」
「まだ濡れてんじゃねぇか。ちゃんと乾かせよ、ズボラ女!」
「うっさい、急かしたの誰だよ!」
「俺だな!」
二人してゲラゲラ笑いながら、湯川の部屋に入る。
ひょっとして無理してんのかな、とか思いつつ。
台所を借りてサクサク漬け物擬きを作って、リビングダイニングのテーブルに乗せた。
湯川の部屋へ向かいつつ、ホクホク顔の私を呆れたように見て、湯川が言う。
「お前、リオンであんなに食ったのに、まだ食うのかよ!」
「なにさ、いつものことでしょ。
食べながらじゃないと飲めないんだって」
「塩でも舐めとけ!」
「野菜食いたいの!」
家にあったキュウリを5本持ってきた。軽くめんつゆに浸けて、漬け物擬きを作る。
後は、お菓子。
ふと、気がついて、隣の湯川を見上げる。
軽く180㎝以上あるだろう。
女としては背の高い方の私が、見上げないといけない。
「……あんた、割と元気ね」
もっと落ち込むかと思った。
大好きなまりあが、嫁に行くんだよ?
「ああ、なんかお前がまりあに『嫁に来い』って言ってたの聞いて、どうでもよくなってきた」
「なんだそれ」
ぷっ、と吹き出した私の髪を、いきなり大きな手がぐちゃぐちゃにした。
「なっ、なにすんだ!」
「まだ濡れてんじゃねぇか。ちゃんと乾かせよ、ズボラ女!」
「うっさい、急かしたの誰だよ!」
「俺だな!」
二人してゲラゲラ笑いながら、湯川の部屋に入る。
ひょっとして無理してんのかな、とか思いつつ。
台所を借りてサクサク漬け物擬きを作って、リビングダイニングのテーブルに乗せた。