恋の始まりの物語
酒を飲みながら、久々にまりあのことを話す。
話しているうちに、やはり悲しくなってきたのだろう。
湯川は段々、元気がなくなってきた。

「あー、…俺、これからどうしたらいいんだ…」

結婚だからね。
玉砕覚悟で告白してこいとは言えない。

「もうさ、まりあは透を選んだんだよ。
どうにかして諦めないと。
湯川もまりあたちも不幸になるよ。

湯川はイケメンだしモテるじゃない。
若い子達が、あんたを狙ってるって言ってたよ!
大丈夫、これからいい娘が現れるって。
辛いのは、今だけだよ。
まりあより素敵な娘を連れてきて、自慢してやれ!」

私は力強く保証した。
正直、湯川のモテ方を見ていたら、そう遠くない未来に彼女ができると確信できる。
──湯川さえ、他を見ることができたなら。
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