恋の始まりの物語
「……俺ってイケメンなの?」
ちょっと落ち込んだ感じのまま、湯川が聞く。
「当たり前じゃない。総務でも、『社内の結婚したい男ランキング』1位独走だよ?
他部所もそうだと思うよ。」
「……山本はどう思う?」
「湯川がイケメンかどうかってこと?
そりゃ、イケメンだと思うよ。
性格も口ほどは悪くないし。
あ、口が悪いのは同期仲間限定か」
ケラケラ笑う私を、何故か湯川は真剣な眼差しで見つめる。
「俺って、お前の好みに入る?」
──おかしい。
こんなこと、聞かれたことはない。
私のことなんて。
いつもまりあのことばかり話してたのに、どうしたんだ?
「──まあ、ストライクゾーンではあるよ。
湯川は一般的に格好いいからね」
大昔、入社したての頃、イケメンで優しく仕事も出来る湯川を、うっかり好きになりそうになったとは言えないが。
そもそも、こんなイケメンを好きになったら、心休まる暇がない。
私はさっさとその想いに蓋をして、友達になることを選んだ。
湯川がまりあを好きなことに気がつく頃には、心が痛むこともなかった。
──とにかく今日の私の使命は、愚痴の聞き役と励まし役だ。
私は、何だかんだ言っても、湯川がいいヤツなのを知ってる。
落ち込んでいるなら、元気にしてやりたい。
ちょっと落ち込んだ感じのまま、湯川が聞く。
「当たり前じゃない。総務でも、『社内の結婚したい男ランキング』1位独走だよ?
他部所もそうだと思うよ。」
「……山本はどう思う?」
「湯川がイケメンかどうかってこと?
そりゃ、イケメンだと思うよ。
性格も口ほどは悪くないし。
あ、口が悪いのは同期仲間限定か」
ケラケラ笑う私を、何故か湯川は真剣な眼差しで見つめる。
「俺って、お前の好みに入る?」
──おかしい。
こんなこと、聞かれたことはない。
私のことなんて。
いつもまりあのことばかり話してたのに、どうしたんだ?
「──まあ、ストライクゾーンではあるよ。
湯川は一般的に格好いいからね」
大昔、入社したての頃、イケメンで優しく仕事も出来る湯川を、うっかり好きになりそうになったとは言えないが。
そもそも、こんなイケメンを好きになったら、心休まる暇がない。
私はさっさとその想いに蓋をして、友達になることを選んだ。
湯川がまりあを好きなことに気がつく頃には、心が痛むこともなかった。
──とにかく今日の私の使命は、愚痴の聞き役と励まし役だ。
私は、何だかんだ言っても、湯川がいいヤツなのを知ってる。
落ち込んでいるなら、元気にしてやりたい。