恋の始まりの物語
「……あのさ…金曜の…」

「あー、その話だったら、いいから」

「は?いいって…」

「ここ人目もあるし。手短に言っただけ。
本当に気にしないで。

……てか、忘れて」



呆然と立ち尽くす彼を置いて、私はエレベーターに乗り込む。
気がついて慌てて入ろうとした彼の目の前で、ニヤリと笑って扉を閉めてやった。


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