恋の始まりの物語
~side 美玲~
伝票を持って立ち上がる湯川。
私は、呆然と見上げる。
「いいから来い!」
湯川に手首を握られ、レジへ向かう。
5000円札を置いて、ごちそうさまと店を出る。
いや、3000円分も食べてないよ?!
でも、私が話しかける隙はなくて。
オロオロしている間に、手はいつの間にか恋人繋ぎで握られ、大通りでタクシーに押し込まれる。
車内で手を繋ぎ直して、湯川は外を見ている。
窓ガラスに映る湯川の表情からは、何も読み取れなくて。
──怖い。
大切な何かを失いそうな気がする。
私は、呆然と見上げる。
「いいから来い!」
湯川に手首を握られ、レジへ向かう。
5000円札を置いて、ごちそうさまと店を出る。
いや、3000円分も食べてないよ?!
でも、私が話しかける隙はなくて。
オロオロしている間に、手はいつの間にか恋人繋ぎで握られ、大通りでタクシーに押し込まれる。
車内で手を繋ぎ直して、湯川は外を見ている。
窓ガラスに映る湯川の表情からは、何も読み取れなくて。
──怖い。
大切な何かを失いそうな気がする。