恋の始まりの物語
「わかったって言ったな?!」

「いやそれは、湯川の気持ちがわかったってことで…」

「いや、おれは結婚してって言った。
わかったんなら、答えはOKってことだろ。
よし、今から美玲は俺の婚約者な」

えええぇ?!

「抗議は受け付けない。
撤回は認めない。

俺のものになれ、美玲。」

「なにその俺様!
私は私のことを勝手に決められるの、嫌いなんだけど!!」

──本当は、嬉しい。
湯川にこんなにも想われて、嬉しくない女なんていない。

私だって、惚れそうになったこともあるし、人間としても好きだ。

でも怖い。
とてもいい友人だった湯川を失うのが。
いつか飽きられて、捨てられる。
私は、2回も経験したから。
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