私の好きな人
第1章 良平 side
「良平ー!」
今日も俺の名前をバカでかい声で叫ぶ幼なじみ
「…なに」
近づく存在に、冷静に答える
「おはよう!今日も良い天気だね!」
「あぁ」
目の前の笑顔に
正直、冷静を装うのは限界だ
小学校2年生の時、突如として現れた彩月
初対面の家に挨拶来た時の印象はあんまり覚えてないが
下向いて、暗い印象……
彩月に対しては、そんなスタートだった
近所で同級生、いや同年代すら中々いなかった所に彩月が引っ越してきたから、自然と登校も2人きりになり
俺と彩月は毎日のように一緒にいた
いつからだろうか…
彩月の笑顔に
彩月の存在に
いつから………こんな夢中になってたんだろう
小学校
「おい良平!今日も一緒に登校って羨ましいなぁ」
「森岡さんと近所って、最高だよなぁ」
「森岡さんって、何話すの?何か好き?」
中学校
「なぁ良平、森岡さんって幼なじみなの?まじ最高じゃん!」
「それやば!幼なじみならさ、今度俺たちと遊ぼうって誘ってみてよ」
「いいねー!もう森岡さんチョー神級に可愛いじゃん、幼なじみのお前が羨ましい!!」
高校生
「頼む!これ森岡さんに渡してくんない?返事は今日の放課後に体育館の裏でって伝えてて」
「ちょ、抜け駆けかよ!森岡さんは皆んなのだろうが!」
「だってさ…ヤベェよ、、あの笑顔で名前呼ばれてみ?我慢できるかっての」
「それは皆んな我慢してるっつの、、なぁ良平、森岡さんって彼氏いるの?」
「うわ、いそう!つかあの容姿であの性格だろ?絶対いる!最上級クラスの男が」
「やっぱり…?だよなぁ…俺たちみたいな平凡は手出しちゃダメだよなぁ」
「近くにいれる幼なじみのお前が羨ましいよ」
………そう
転校してきてからというもの
彩月はずっとモテた