私の好きな人
「お願いします」
借りたい本をカウンターへ置いた
照れ臭さからか、彩月から少し目をずらす俺
俺のことに気付いた彩月は一瞬目の前から消えた
椅子から転げ落ちた、、?
落ち着きのない様子の彩月
その横で密かに微笑む小林に気付いた
なんだ……
なんなんだ…
俺が来るまで誰も居なかった図書館には、この2人だけだったはず
………チク
また俺の胸が騒がしくなる
余計なことばかり考えてしまう
とことん、、ダサいな俺…
彩月は顔を赤くしながら仕事をこなしていた
そりゃ、あんだけ激しく椅子から転べば、恥ずかしいだろ
手渡された本から彩月に視線を移し
「頑張れよ」
ここは冷静に
幼なじみらしく、彩月をフォロー
「頑張る!!」
相変わらず満面の笑みで応える彩月は
………めちゃくちゃ可愛い
思わず俺の顔も緩みそうになる
図書館から出た俺は、何かに解放されたように息を思いっきり吐いた
本当に俺らしくない
……緊張した
どうしよう
俺
彩月に対して余裕が無くなってきている
彩月の笑顔と一緒に思い出すのは
小林の存在
まだ何も分からないのに、、
勝手に変な想像して
勝手に緊張して
もう
限界かもな…