私の好きな人
『さーつきっ!おはよ!』
『おはよう!』
『今日もイケメンと登校…羨ましいっす!』
『もぉっ!』
教室に入るなり、クラスの友達からのこの攻撃
正直、恥ずかしい…
『でも本当羨ましい…藤くんと幼馴染みなんて』
『だよねぇ。ほとんど毎日一緒に登校だし、家も近所なんて、彩月になりたい』
『ねぇねぇ、藤くんって普段なに喋るの?』
『あ、それ気になるー!学校じゃ冷静沈着でクールだけど、彩月といる時ってどんな感じなの?』
『しかも、あんなイケメンでクールなのに彼女もいないって聞いてるし、謎だらけなんだよね』
『それ!学年の女子どころか美人な先輩からも告白されてるのに全部お断りで終了らしいじゃん!謎だわ…』
『ま、それもまた藤くんの魅力だけどね』
『で、どうなのよ。彩月の知る、普段の藤良平とは?』
そう
良平はモテる
高校生になっても相変わらずモテる
『いや…普段っていっても…何も知らないし』
『なによー、彩月のケチ!幼馴染みだし、何かあるでしょー』
『何かって…』
この子達も、良平のファンだ
良平と幼馴染みだというだけの私に尊敬の眼差しで見つめてくる
悪い子たちじゃないから、嫌じゃないけど…
教室に入るなり、私の周りは人だかり
それが恥ずかしい…
『彩月!』
『桜子!おはよう』
『さっき科学の先生が彩月のこと探してたよ?職員室行ったら?』
『え?私?』
『うん、そう。早く!』
『う、うん分かった』
助かった…
なぜ科学の先生が私を探してるのかは分からないけど、なんとかここを脱出できることにホッとしていた
『あー藤くん情報がー』
『彩月、また後でねー』
………汗
なかなか懲りてくれないファン達です