私の好きな人
その挑戦状の如く
下校中、彩月の家の前に高級車が停っているのが見え
中から彩月が降りてきたのを目撃した
開いた窓から小林が顔を覗かす
小林の家柄の事はクラスの連中の話で知っていた
高級車なんかに目を奪われてるんじゃない
親しげに会話する2人……
……彩月に目を奪われ
俺の心臓は音を立てて、痛みと化す
ちゃっかり家まで送ってもらってんじゃねぇよ
委員会が同じなだけだろ
別に仲良くなんて……
「………っ」
なんだよ
興味ないなんて言っときながら
親しく話してんじゃねぇよ
「…………イラつく」
何かが俺の中で
彩月に対しての想いが
いや、それ以上の何かが
解禁された
「もしもし雨宮?急にごめん、日曜の水族館の事なんだけどさ」
「彩月と2人にしてくれないかな」