私の好きな人



ただ、そんなタイミングも次の声に邪魔される


「あれ?彩月?」


突然呼ばれた声に彩月は分かりやすく反応した



彩月は落ち着きのない様子


そんな彩月を見て、どこか楽しそうな小林は迷わずこっちへと寄ってくる



彩月は繋いだ手を隠そうとした



………なんで…



慌てる彩月に


馴れ馴れしく寄る小林




……なんだよ



どうにもならない感情に



繋いだ彩月の手に力を込める




2人を離したくて、その場を逃げるように彩月の手を力一杯に引っ張るように歩いた



「良平っ…手いたっ…い」

「あ…ごめっ」


夢中に歩いてた俺は、彩月の苦しそうな声で我にかえる



どこか心配そうな彩月は、俺に優しく問いかける




だめだ……



もう余裕がない




小林と彩月の関係に


ものすごく嫉妬してしまう




「あいつとどういう関係?」

「……小林くん?」



彩月の口からは迷いもなく小林の名前


そんなことにも俺は敏感に反応してしまう



彩月は別に俺のものでもない

なのに彩月を問い詰めるようなことを言って…




………かっこわる






< 65 / 79 >

この作品をシェア

pagetop