私の好きな人
ただ、そんなタイミングも次の声に邪魔される
「あれ?彩月?」
突然呼ばれた声に彩月は分かりやすく反応した
彩月は落ち着きのない様子
そんな彩月を見て、どこか楽しそうな小林は迷わずこっちへと寄ってくる
彩月は繋いだ手を隠そうとした
………なんで…
慌てる彩月に
馴れ馴れしく寄る小林
……なんだよ
どうにもならない感情に
繋いだ彩月の手に力を込める
2人を離したくて、その場を逃げるように彩月の手を力一杯に引っ張るように歩いた
「良平っ…手いたっ…い」
「あ…ごめっ」
夢中に歩いてた俺は、彩月の苦しそうな声で我にかえる
どこか心配そうな彩月は、俺に優しく問いかける
だめだ……
もう余裕がない
小林と彩月の関係に
ものすごく嫉妬してしまう
「あいつとどういう関係?」
「……小林くん?」
彩月の口からは迷いもなく小林の名前
そんなことにも俺は敏感に反応してしまう
彩月は別に俺のものでもない
なのに彩月を問い詰めるようなことを言って…
………かっこわる