私の好きな人
「おはよ」
「っ!?」
玄関を出てすぐ、良平の朝のご挨拶
思わずひっくり返りそうな体をなんとか保ち
「おはよう!」
余裕の笑顔を見せた
「待つ準備してたのに、今日に限って早くね?」
「…そうかな?」
「うん」
確かに早い
いつもより何分も早い
ドキドキの心臓のせいで早くなった脈が何をするにも早くさせたのであろう
※両親にバレバレなのも、そのせい
※本人、自覚なし
「てか、待つ準備って、、どんだけ!」
「…は?」
「いや…大丈夫です…///」
「……」
変なテンションの私を単純に不思議がる良平
静まれ…
いつも通り
いつも通りの私
大丈夫
大丈夫
「…行くぞ?」
「りょーかいっ!」
「……おぅ」
嬉しすぎて
幸せMAXすぎて
いつも通りの私の魂は遥か遠い場所へと飛んで行った
りょーかいっ!
………返事は失敗
こりゃ…
良平に嫌われるのも時間の問題だな…
「彩月」
「ん?」
「……今日委員会は?」
「委員会?…あるよ?」
「そっか。じゃあ終わるまで俺も図書館にいよ」
「え??」
「帰り…待ってる」
駅に向かう途中
良平の自転車の後ろに座る私は
言葉がつまった
良平の顔は見えない
けど
どこか照れくさそうに聞こえる声に
私は赤面になる
…恥ずかしいな
良平っぽくない
委員会終わるまで図書館で待ってくれるなんて
それって帰りも一緒ってことでしょ?
あ、行きも1台の自転車なんだから帰りも必然と一緒じゃないとおかしいのか…
にしても
良平が言ってることって
もう彼氏も同然だよ