私の好きな人
教室を出て、足早に職員室へと向かう
そういや科学の先生って…誰だっけ?
まだ1回しか受けてない授業だから先生の名前なんか覚えてない…
というより、なぜ私を探してるのか謎だ…
何かあったっけ…?
『待って彩月!』
『…桜子?』
『あんた歩くの早っ…』
『ん?』
足早に歩く私を慌てて止めに来た桜子
『あれウソだから!』
『ウソ?』
『そう。科学の先生は誰も探してないし、そんな足早に職員室に行かなくて大丈夫!』
『…なぜウソを?』
おかしいと思ったんだよ…
科学の先生って……
『いやいや見てらんないでしょ…あれは。質問責めから脱出させてあげたの。彩月恥ずかしそうだったし』
『あぁ…そういうこと…』
なんだ…
思いっきり信じたじゃん!
『相変わらず彩月も大変だね…』
『はは…ありがとう、桜子』
良平のファンに囲まれ続けて8年…
慣れたっちゃ慣れたけど
さすがに疲れる時もある
そんな私へ助け船を出してくれた桜子
さすがです。
雨宮 桜子
あまみや さくらこ
桜子とは中学から同じで、私の親友
スタイル良くて、頭も良くて、おまけに運動神経も抜群な完璧な子
さっきみたいに、周りへの気配りもできる子
私にはもったいない親友なんです。