私の好きな人
「ありがとね彩月、付き合ってくれて」
「ううん、良かったね!いいのが見つかって」
「そうだけどさ…いつ渡せるか」
「あぁ…」
桜子のプレゼント選びも無事終わり、今は最寄りの駅
プレゼントのネックレスを見つめる桜子
いつ渡せるか
そう、桜子の悩みは、そこ
貰ってくれるかな…でもなく
気に入ってくれるかな…でもない
なぜなら
「先輩なら自分から桜子の所に来るでしょ!」
「なんでよ…」
「いやいや、桜子さん…」
「ん?」
「ん?じゃない。先輩はむしろ桜子からのプレゼント待ってるくらいじゃない?」
「そんなバカな」
…いやいや
明らかに先輩も桜子狙いだし!
見てて分かるし!
なんなら桜子も脈アリなの薄々気付いてる感じだし!
「早く告白すればいいのに…」
「だって…さ」
俯く桜子
…そうだよね…
たとえ脈アリな相手だとしても、緊張するよね
もし振られたら…とか
振られたそのあとの関係性とか…
なかなかプラスには考えれないのが乙女なものよ
私だって同じ…
桜子の気持ち、分かるよ
「とりあえずプレゼントは無事選べたんだし、当日だね桜子!」
「そうだね、ありがとう」
ニコっと微笑む桜子
やっぱり美人だなぁ
……絶対、桜子なら大丈夫なのは間違いない
ただただ
恋は人を臆病にする
恋は人を弱くする