雨に恋するキズナミダ
3
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もしもあの時、わたしが本当のことを言っていたら何か変わっていただろうか。
過去に戻れるわけがない。変えられやしない。全てわたしがやってしまったこと。
きっと誰にも理解されない。あの時のわたしの心なんて。
歪んだ心が間違った選択をして、秋くんを傷つけた。夏海を困らせた。わたしはすごくバカなことをしたんだ。
「にゃー」
「アメ、慰めてくれるの?」
ベッドに寝転がっていたら、飼い猫のアメがお腹に乗ってきた。
今日も尻尾を手に乗せて、何か構って欲しそうにしている。茶色い耳をピクピクさせて、なぜか首を傾げてる。
「かわいこぶってるの? それとも、また悩み聞いてくれる?」
過去のこととか秋くんのこととか、わたしの悩みは本当に絶えない。
どうやっても答えにたどり着かない。そもそも答えなんかなくて、勝手に一人でもがいているのかもしれない。
「あーあ」
夜も遅い。そろそろ寝なきゃとは思うけど、なかなか寝付けない。
わたしが連絡することは知っていたはず。それなのに返事が全くない。仕事で疲れているんだろうとか、急な用事でスマホどころじゃないってのはあるかもしれない。
それでも今日は楽しかったから、一言が欲しかったのに。