雨に恋するキズナミダ

「夏海。今日大丈夫?」

「何が?」

「買い物が終わったら、夕飯一緒に食べない?」

「え。雪乃、いいの!?」

「わたしはいつでもオーケーよ」



 そんな会話をしていたらバスのアナウンスが次の停車を伝える。わたしたちは降りる準備をして立ち上がった。



「まずはプレゼント探しね」



 バスを降りると夕方ということもあって少し肌寒い。わたしはバッグに入れていたカーディガンを羽織った。



「ちょっと寒いね」

「夏海。アイス食べるとか言わないでね」

「なぜバレたし!」



 あきれた。寒いってわかっていてアイス食べたくなる神経わからない。
 冬に発売するアイスとかも本当に意味がわからない。まあ、好きだけど。



「風邪ひくよ? これからイベント盛りだくさんで、生徒会長不在とか有り得ないからね」

「大丈夫だって」



 どうしてそう楽観的なのかな。だから憎めないのもあるけど。


 落ち込んだ時、悩みがある時、夏海のそばにいると落ち着く。明るくなれる。
 だから彼氏くんもそんな夏海が好きになったんだろうな。
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