雨に恋するキズナミダ
「夏海は彼氏とどこまでいった?」
「へ? え!?」
歩きながら聞いてみれば、寒さが吹き飛ぶくらい真っ赤な顔をしている。
「最近、何も教えてくれないじゃない。キスの先は?」
「ゆゆゆゆゆ雪乃、何言ってるの!?」
「どうなのよ」
「今日の雪乃ちょっと意地悪じゃない?」
「ここ最近、相手してくれなかった罰よ」
停留所から五分。はぴねすと書かれた看板と可愛らしくもお洒落なお店が見えてきた。
あんな可愛らしいお店に行くなんて、彼氏が出来てから変わったな。
どっちかといえば夏海はバッティングセンターとかゲームセンター。頑張ってボウリングとかカラオケ。すごく頑張って本屋とかファミレス。
「着いたよ、はぴねす」
「さっきの話は?」
「そそそそそそれは、また今度!」
「今度があればいいけど」
夏海がドアを開けて中に入る。わたしも開けられたドアを抜けて中へ。思った以上に素敵な場所だ。
「雑貨は二階なの」