雨に恋するキズナミダ

 螺旋階段を上っていくとたくさんの雑貨が目に入った。細かい細工のピアスから、テーブルや椅子まである。


 自分のも買っちゃおうかな。



「クローバーのグッズばかりね」

「クローバーをテーマにしたものしか置いてないの。お店のこだわりだって」



 夏海に教えられて見てみれば、本当にクローバーだらけ。一見、普通のグッズだと思って見てもワンポイントにクローバーがある。


 そういえばさっきのテーブルも椅子もクローバーの形だ。すごく可愛い。



「で? 彼氏はどんなのが好きなの?」

「可愛いもの」

「それは逆に迷うわね」



 可愛いものしか置いてない。雑貨屋さんといったらそういうものかな。



「何か欲しいものとか、最近ハマっていることとか、何か情報ないの?」

「あったら誘わないよ」

「聞けばよかったのに」

「え? 誕生日プレゼント何がいいって? 無理だよ、そんなの!」



 純粋な二人だから、こうやって照れているのを見るともどかしくもある。
 だけど相手を想い合える優しい心を知ってるから、わたしは嫌いになれない。二人には幸せになって欲しい。
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