雨に恋するキズナミダ
4
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『好きなんです。付き合ってください!』
ただ純粋に告白した。
冬弥先輩はわたしの憧れで、生徒会長で、何もかもが理想の人だった。
彼が生徒会長に立候補すると聞いて、わたしも書記に立候補した。もちろん、彼に近づくため。不純な動機だった。
彼が三年。わたしが二年の春。
入学式後の仕事が終わって解散となった後。二人きりになったところで、わたしは告白した。
『ぼくが好きなの?』
『一目惚れ、です』
そう言うと、冬弥先輩はわたしの頭に手を置いた。すごく温かくて優しい手だった。
『……ぼくが先に告白すべきだったね』
『え?』
『雪乃が好きだ』
最高の瞬間だった。
想いが通じ合って恋人になる。ずっと夢見ていた瞬間が訪れた。こんなに嬉しいことはない。
なぜか寂しそうに笑う冬弥先輩が気になったけれど、きっと癖みたいなものだと勝手に思った。多分、わたしは浮かれていたんだ。
そんなことにさえ気づかないから、不幸になったんだと今ならわかる。
周りを見なさすぎた。もっと誰かに相談したら、変わっていたかもしれない。