雨に恋するキズナミダ
わたしは夏海を呼び止め、秋くんはわたしから離れる。
その顔がちょっと赤くて笑っちゃう。わたしも、もしかして赤くなってるんだろうか。
「夏海は相変わらずだな」
「久しぶりに会ってそれはないでしょ! 秋!」
「まあ、お前らしくていいや」
病院だっていうのに言い争いを始める二人。何だか妬けてしまう。
だけど、そうだった。秋くんは夏海が好きだったんだもん。こんな形だけど会えて嬉しいはず。
今は夏海に彼氏がいるからどうしようもないけど。もしかして、まだ好きなんだろうか。
少し胸が痛む気がした。
「で? 二人ってそういう関係?」
改まって夏海が聞く。
すごく嬉しそうな顔をして、ニヤニヤが気持ち悪いったらありゃしない。
「いつから? いつから!?」
「違うよ。ただ、何ていうかな。ねえ、秋くん」
「ボディーガード、みたいなこと」