雨に恋するキズナミダ
わたしたちが目を合わせると、夏海の目が細くなっていく。
「何を疑ってんのよ、夏海」
「ボディーガードが抱きしめる? そこんとこはどうなの?」
「悪いな。雪乃も元気になったみたいだし、オレは帰る」
「あ。コラ! 説明しなさい! 生徒会長命令!!」
「生徒会長なんてオレには関係ない」
面倒になったみたいで、秋くんはさっさとベッドから離れていく。
「じゃあ、またな」
「コラ! 逃げるな!!」
でも秋くんは歩みを止めることなく行ってしまった。
わたしたちは病室に残された。
「わかってるよね、雪乃」
「生徒会長命令?」
「ささ、話して。ご両親が着く前に」
そっか。夏海はわたしの両親に電話してくれていたんだ。本当に頼れる親友。
「わかった。少しね」
「少しなの!?」
わたしは秋くんがボディーガードになるという話を包み隠さずに話すことにした。
だって、大切で、信用出来る友達。それに今日のことが申し訳なくて。
今度こそ、オムライス食べに行かなきゃ。夏海と二人で。