愛があれば、それで
「帰らない、で」



潤んだ瞳で俺のことを見上げる。

さすがに俺も男だ。
その目はくる。



「とりあえず、靴脱ごう」



玄関に入ったばかりで、まだ靴を履いたま間の俺たち。



「本田さんも脱いでください」


「わかった。わかったから」



俺の腕に絡まれてる腕を解いて、俺がまずは靴を脱ぐ。

それみた彼女は安堵したように笑って、自分も靴を脱いだ。

その笑顔に不覚にも見とれてしまった。



「本田さん、ベッド行きましょう」


「ベッド!?」



俺の手を握る彼女の手を振りほどこうと思えば、振り解けた。

でも、女の子の誘いを断れない俺は、そのままその手を握った。



「あたし、本田さんに一目惚れなんです。好きなんです、だからここに今日はいてほしんです」



そのまま俺の手を引いて、寝室にやってきた彼女は、自分の服のボタンを外しはじめる。



「待って」



彼女のボタンを外す、手をとめる。

< 11 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop