愛があれば、それで
「ねぇ、桜木さん……助けて」
あたしが電話をかけたのは、お昼に一緒にいた桜木さん。
慌てた声で「どうした!?」って焦ってる。
「もう、限界……」
そう告げると「もう今日は直帰だから」と家に飛んできてくれた。
一瞬、透くん以外の男の人とこの家で二人きりになることを、うーんと思ったけど何も無いし。
あっちは、もっと酷いことをしてると思って、受け入れることにした。
「大丈夫?結花ちゃん」
何度も襲ってくる吐き気に心配そうにあたしの顔を覗く桜木さん。
「透くん、あたしたちが寝ているベッドでもしてたみたいで。袋が落ちてたよ、ほら。それを知った途端に吐き気が止まらなくて」
「そっか」
何度も押し寄せる吐き気にあたしの背中を優しくさすってくれる。
「俺、結花ちゃんのこと好きだよ」
「え……?」
「結花ちゃんも俺としちゃえばいいのに……なーんてね」
冗談ぽく言ってニッコリ笑う。
好かれて嬉しい気持ちはある。
でも、あたしにはそんなことはできない。
「結花ちゃんがそーいうこと絶対できないの分かってるから。俺が透に話すよ」
「え?」
「こんなに結花ちゃんが苦しんでること、ちゃんと 言わないと。うちに秘めてるなんてだめだよ」
「うん……」
本気じゃなければ、バレたら透くんはやめてくれる。
もしも、本気だったら。
もう、あたしとは一緒にいれないかもしれない。
そう思うと、まだこのままでいい気がしてしまうから、ここまできてもなお好きなことに自分がバカバカしく思うけど、それがあたしだから。
あたしが電話をかけたのは、お昼に一緒にいた桜木さん。
慌てた声で「どうした!?」って焦ってる。
「もう、限界……」
そう告げると「もう今日は直帰だから」と家に飛んできてくれた。
一瞬、透くん以外の男の人とこの家で二人きりになることを、うーんと思ったけど何も無いし。
あっちは、もっと酷いことをしてると思って、受け入れることにした。
「大丈夫?結花ちゃん」
何度も襲ってくる吐き気に心配そうにあたしの顔を覗く桜木さん。
「透くん、あたしたちが寝ているベッドでもしてたみたいで。袋が落ちてたよ、ほら。それを知った途端に吐き気が止まらなくて」
「そっか」
何度も押し寄せる吐き気にあたしの背中を優しくさすってくれる。
「俺、結花ちゃんのこと好きだよ」
「え……?」
「結花ちゃんも俺としちゃえばいいのに……なーんてね」
冗談ぽく言ってニッコリ笑う。
好かれて嬉しい気持ちはある。
でも、あたしにはそんなことはできない。
「結花ちゃんがそーいうこと絶対できないの分かってるから。俺が透に話すよ」
「え?」
「こんなに結花ちゃんが苦しんでること、ちゃんと 言わないと。うちに秘めてるなんてだめだよ」
「うん……」
本気じゃなければ、バレたら透くんはやめてくれる。
もしも、本気だったら。
もう、あたしとは一緒にいれないかもしれない。
そう思うと、まだこのままでいい気がしてしまうから、ここまできてもなお好きなことに自分がバカバカしく思うけど、それがあたしだから。