愛があれば、それで
どうしても欲しかった
「ねぇ、なんであんなわかりやすいことしたの?」
仕事が終わり、今日も本田さんの車に乗るために駐車場に向かおうと歩き出したところ、腕を掴まれた。
「桜木さん、直帰したんじゃ?」
「あのさ、俺が質問してんだけど」
目の前の桜木さんは、とても怒っているようだ。
「質問の意味がわからないです」
「車にピアス落としてったでしょ?」
「あぁ、じゃあ結花、気づいたんですね」
いつになったら気づくかと思ってた。
あのピアスはあたしと結花がお揃いで高校生のときに作ったものだったから。
「なにしたいの?透と結婚したいの?」
「結婚なんてしたくないですよ。別に結花と別れて欲しいわけでもないです」
「じゃあ……」
「ただ、付き合っていければいいんです。結花にも気づいてもらった方がやりやすいかなって」
別に、結婚なんて肩書きはいらない。
旦那なんて欲しくない。
子供から父親を取り上げるつもりもない。
仕事が終わり、今日も本田さんの車に乗るために駐車場に向かおうと歩き出したところ、腕を掴まれた。
「桜木さん、直帰したんじゃ?」
「あのさ、俺が質問してんだけど」
目の前の桜木さんは、とても怒っているようだ。
「質問の意味がわからないです」
「車にピアス落としてったでしょ?」
「あぁ、じゃあ結花、気づいたんですね」
いつになったら気づくかと思ってた。
あのピアスはあたしと結花がお揃いで高校生のときに作ったものだったから。
「なにしたいの?透と結婚したいの?」
「結婚なんてしたくないですよ。別に結花と別れて欲しいわけでもないです」
「じゃあ……」
「ただ、付き合っていければいいんです。結花にも気づいてもらった方がやりやすいかなって」
別に、結婚なんて肩書きはいらない。
旦那なんて欲しくない。
子供から父親を取り上げるつもりもない。