愛があれば、それで
「俺さ、結花ちゃんにバレてることをこれから言いに行こうと思ってんだよね」



スマホの画面をあたしに見せてくる。



〝大事な話があるから、いつものカフェにこい〟



本田さんのLINEの画面で、桜木さんからそう送信をしてあった。


「な……今日は、あたしと約束してるから」


「結花ちゃんのことって言ったら、あいつは俺を選ぶよ。ほら」



なにやら、スマホを操作したあと、もう一度あたしに画面を見せてくる。



〝今日、用事あるんだよ〟そう返す本田さんに桜木んは〝結花ちゃんのことだから聞いといたほうがいい〟と返していた。

そして、それに対する本田さんの返事はまだない。



「まだ返事きてないじゃないですか」



既読にはなってるけど。
あたしとの約束のほうが先なんだから、あたしを選んでくれるはず。

そう思ってるところに、手元にあるあたしのスマホがふるえた。



〝ごめん。急用ができたから今日はなしで〟


「ね？結花ちゃんを選んだでしょ？」



スマホをみて固まっているあたしに、いじわるそうな笑みを浮かべる桜木さん。

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