愛があれば、それで
「ごめん、奥さんにバレてるみたいだからこの関係を終わらせてほしい」



テーブルを囲んで座った3人。
みんなが座ったことを確認すると、本田さんらあたし向かって深々と頭を下げてきた。



「嫌だって言ったらどうするんですか?」


「嫌だって言われても、もう俺は君の誘いに乗らないからそれだけだよ。あと、俺は異動をお願いしようとおもってるから」


「え?」



異動なんて想像もしてなかった。
だって、なにがあっても結花が戻ってくるまではあたしもあそこにいれるから。
平日は結花よりも本田さんと長くいられるって自慢があった。



「もともと誘われてたんだ。システム部に」


「え?システム部!?」


システム部は本社管轄だけど、場所は横浜だ。
同じ建物ですらないということに落胆が走る。



「残念だったね。どうせ結花ちゃんより長くいれる優越感にでも浸っていたんでしょ」



どこまでも意地悪な桜木さん。

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