愛があれば、それで
「最後にふたりにしてくれませんか?」



桜木さんの顔をみる。



「出来るわけないでしょ。透は?」


「ならないよ。もう。終わったのになる必要はない」



桜木さんに話を振られた本田さんは冷たく言い放った。



「ということだから、俺ら帰るよ」



ふぅっとため息をついて、本田さんとふたり立ち上がる。



「じゃあ、関さん。もう、結花のこと傷つけるのやめてね」



スリッパから靴に履き替えて、本田さんが放った言葉に何も言葉を返せなくなる。



「……っ」



何も言えないあたしをよそに、2人でドアを開けて出ていく。



「なによ、あたしは悪くないもん。傷つけたのは、男たちでしょ!?なんであたしが悪いのよ!!」



ガンッとベッドを蹴りあげれば、落ちてくるたくさんのコンドーム。

躍起になって、穴を開けていたのがバカバカしい。
別に子供なんて欲しくない。
でも、既成事実を作れば離れなくていいと思った。

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